ごみ散乱状況調査とごみ箱設置社会実験に基づくごみの散乱防止効果の分析(令和2年度)

令和2年度和歌山県データを利活用した公募型研究事業

作成日時
公開日時
2022年4月12日 13時58分
最終更新
2022年4月12日 13時58分
更新回数
11回
作成者
機関名
和歌山大学
所属
システム工学部
氏名
吉田登(研究代表者)
E-Mail
yoshida@wakayama-u.ac.jp
概要 令和2年4月に施行された「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」では、ごみの散乱の防止に関する広域的かつ総合的な施策を策定することとされているが、県内市町村では、公衆用のごみ箱設置に関する情報が不明確であり、設置に取り組むことが困難である。ごみ箱設置を進めるには、「散乱ごみ発生の要因」と「ごみ箱設置の費用対効果」に関する情報が不可欠である。

令和2年度の研究では、文献調査および自治体へのヒアリングを通して、ごみ散乱への対応策を把握する。また、和歌山市等の特定美観地域およびその周辺をウォークスルー調査(令和2年10~11月)し、ごみの散乱状況をごみの種類別にヒートマップで可視化した。
カテゴリ 分析種:社会分析
分野:暮らし、環境、まちづくり
分析結果

①文献調査により、ごみ散乱防止へ向けた、これまでのアプローチに関する知見を整理した、その結果、1つは心理学にもとづく応用行動分析的アプローチで、学習による行動変容を促すもの、もう1つは社会学等にもとづく環境犯罪学的なアプローチで、ソフト・ハードの両面から捨てさせない環境づくりを目指すもの、という2つのアプローチがあることが分かった。

②ウォークスルー調査により、ごみ散乱の状況と要因を把握した。散乱ごみとして、たばこの吸い殻、次いで菓子類等の容器包装(プラ・紙)が突出して多かった。

③自治体ヒアリングに基づき、和歌山市では令和3年度の社会実験対象やシナリオのポイントの1つとなる、アダプション・プログラムの指定場所、年次についての情報を得ることができた。倉敷市での調査により、ダストボックス設置の効果を知ることができた。また、街路、公園、ごみ箱の管理を組み合わせることが重要であるとの認識を得た。

④和歌山市の一部の街路では、たばこの吸い殻の散乱密度が平均的な水準を大きく超えていた。また公園については、場所による差が大きく、アダプションなどの公園への関与が影響していることが示唆された。

⑤今年度の知見をもとに、令和3年度に向けて、ごみ箱設置の社会実験へ向けたシナリオを検討した。

令和2年度研究成果報告書

研究体制

研究代表者・分担者の別 氏名 所属機関
研究代表者 吉田 登 和歌山大学 システム工学部
研究分担者 佐久間 康富 和歌山大学 システム工学部
研究分担者 中尾 彰文 和歌山大学 システム工学部